釣り合わない!!~溺愛コンプレックス~




幸せを噛み締めて帰宅して一番に、この幸せを分かち合いたいのは他でもない、響君なんだけど・・・

響君は数日前から大事な用事があると言ってなかなか連絡がとれない。

メールも、催促する訳じゃないけれど、なかなか貰えない。

・・・まさか。

まさか、とは思うけれど・・・

デート代を稼ぐために掛け持ちの仕事をしてる?なんて事は・・・ないよね・・・。


デート代は全て彼が支払ってくれている。

たまに申し訳なくて私が払うと言っても、女性に奢られるのは・・。と、言って、一切お金を出させてくれないし・・・

清掃員の彼の年収がそれほど良いわけじゃないだろう・・・

でも優しい彼の事だから無理して・・・

何故か突然、笑顔で汗水たらしながら肉体労働している彼の姿が浮かぶ。


「どうしよう・・・恐いくらい不安だ・・・」



連絡しようかしないか、そわそわしてる時、都合よく響君からの電話が鳴った。


「もしもし!響君⁉心配してたんだよっっ」

『・・・ん?何を?』

「えっ・・・あ、いや・・・」

『ああ、そうだよね。大事な用なんて言ってなかなか連絡とれなくてごめんね。

仕事だったんだ。』

「仕事・・・?」

『うん。急に地方に行かなきゃ行けなくて。』

「そっか・・・」

てか、清掃業も出張とかあるのね。

彼女なのに、恋人の仕事の事もよく分かってないなんて・・・


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