釣り合わない!!~溺愛コンプレックス~
今日の事を響君に報告すると、響君も自分の事のように喜んでくれる。
『彩葉ちゃんの頑張りが形になったんだね。
それで、なんて名前の香水なの?発売したら俺も買うよ。』
「あのねっ・・・」
香水の名前が浮かんだ時
自分の企画した物がプロポーズや結婚をテーマにしていることを思い出して、言葉を飲み込んだ。
なんか、遠回しにプロポーズ催促した。みたいになったら恥ずかしいじゃん。
しかも〃恋に落ちた王子様〃だよ。なんて、なんか恥ずかしくて言えない。
『彩葉ちゃん?・・どうしたの?』
「え?あ、いや・・・女性ものなんだ。」
『そっか・・・それは残念。』
残念と言いながらなんとなく喜んでるのは気のせいだろうか。
久しぶりに声が聞けて、仕事では良いことがあって。
なんて良い日だろうか・・・。
幸せな眠りについた翌日、久しぶりの休日にお昼まで寝ていた私を起こしたのは部屋のチャイムの音だった。
部屋着で、ノーメイクのまま、ドアを開けたその先にいたのは見知らぬ美人な外国人女性・・・
「・・・宗教の勧誘なら間に合ってます。」
そう言ってドアを閉めようとした途端「違うわよっ、勝手に勘違いしないでよねっ!」と、流暢な日本語で閉まりかけたドアを掴まえた。