釣り合わない!!~溺愛コンプレックス~
「私に縁を切って貰いたい相手って・・・一体、誰なんですか?」
すると、私の問いに彼女はそんなことも分からないのか。といった、呆れた表情で溜め息をついた。
「響きよ。貴方と彼じゃあ全然釣り合わないの。分かるでしょ?」
「響・・・君?」
きょとん。とする私に彼女は急に声を荒げた。
「貴方、響が何者なのかも分からないで付き合ってるわけ⁉」
彼女の気迫に、私はただ、驚いて何も言えずに目を見開いた。
その頃
「社長、また仕事中に居眠りなんなして・・・起きて下さい。」
緒方のあきれ返った声に目を覚ますと、一つ伸びをする。
「昨日も徹夜だったんだ。分かってるだろ?」
「えぇ。知ってますよ。メールの途中で寝落ちしちゃった可愛い白兎ちゃんからのメールを馬鹿みたいに健気に待って、徹夜しちゃったんですよね?」
「その言いかた、酷くない?」
苦笑いする男に緒方は肩をすくめた。
「その可愛い白兎ちゃんですが、今、まさにピンチのどん底だと思いますよ?同時に、社長、貴方もね?」
「何っ⁉どういうことだよっ‼」
想像した通りの反応に緒方はバインダーから1枚紙を取り出した。
「可愛い白兎ちゃんの自宅なら調べ済みです。
どうします?
助けに行きますか?
ヒーローさん?」
「そんなの当たり前だろ‼‼‼早く車出せっっ‼‼」