釣り合わない!!~溺愛コンプレックス~
「もう、どうせならこの機会に、婚活に力、いれようかな?
私、もう29歳なんだよね。」
泣きながら笑う私に「まだまだ若いでしょ。」と、分かりやすいお世辞をくれる。
「慰めてくれてありがとね。」
「俺と4歳しか違わないんだから。実際、若いでしょ。
焦って婚活なんかする必要ないよ。」
「あはは。
私もこうなるまでは、そんな風に考えてたけどね。
こんな風になってから、ようやく女の賞味期限、感じちゃった。」
笑い声が乾く。
決して自傷ネタなんかじゃない。
けど、響君は少し、怒ったような口調になった。
「いつもの彩葉ちゃんは、生き生きしてて、キラキラしてて、可愛くて、俺は好きだな・・・」
「年下に可愛いとか言われても・・・どう、受け止めていいか分からない。」
「だって、正直、綺麗系じゃないじゃん。」
「・・・それはそうかもしれないけど。同じお世辞でも、年上には今度から〃綺麗〃を使いなよ」
「小さくて、丸顔で、兎みたいなのに?綺麗と言われたいわけ?」
「小さくて丸顔は、私が気にしてる事だから、言わないで。」
気付けば冗談混じりに言い合いをしていて
目が合うと
私からなのか、響君からなのか
くすくす笑ってしまった。