釣り合わない!!~溺愛コンプレックス~


すると

「下はダメっ!下は絶対に見たら彩葉ちゃんでも許さないよっ!」と慌てた様子の響君の声が聞こえてきて、ビックリして顔をだすと、突然、ギューッっと抱き締められる。


「響君っ⁉」

「好きな子と同じベッドの中にいるんだからさ・・・

俺がひたすら堪えてる事くらい気づいてよ・・・」と、打って変わって今度は弱々しい声で呟くから

ようやくその意味が分かって

恥ずかしくて響君の胸に顔を埋めると、バクバクと激しい鼓動が振動を伴って伝わってくる。


私といることで、こんな風になってくれてるんだと思うと、恥ずかしいよりも嬉しくて、ギュッと目を閉じた。

「響君が大好きっ!!キスしたい!!」

気持ちがどうしようもなく溢れて、目を閉じてキスを迫ると

「俺を困らせる気、満々でしょ・・・」と、弱々しい小さな言葉の後に触れるだけの優しいキスをくれる。

そんなキスを何度も重ねるうちに

響君の唇が、私の唇から徐々に下がって、首筋を舐めるように触れるから

体が、嫌でも熱くなる。

吐息が

徐々に荒くなって

確認するかのように視線がぶつかった。



そして

我慢の限界に達した二人の気持ちが重なるように・・・

言葉が重なった。


「「テレビゲーム・・・する?」ある?」




初めて愛し合うのが家族揃ってる実家なんて絶対に嫌。


押し入れから幼い頃遊んでいたゲーム機をだしてきて

悲しいかな

寝不足で目を充血させながら朝まで二人でボードゲーム。


ようやく、朝日が二人を包む頃

私達はいつの間にか、額をくっつけて床に寝ていた。


< 87 / 108 >

この作品をシェア

pagetop