釣り合わない!!~溺愛コンプレックス~
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「恐い?でも大丈夫だよ。彩葉ちゃんのことは必ず俺が守るから。」
響君の力強い言葉に頷くと、緊張で震える指先で彼の手を握った。
私達は今、神門家の屋敷の目の前にいる。
緒方さんから事態の報告を受けた響君の父親から呼び出しを受けたのだ。
恐くても
嫌でも
乗り越えなきゃいけない大きな壁がある。
どんなに避けて通りたい道だったとしても
好きな人と離れたくないなら覚悟を決めなきゃいけない。
私の手を優しく握り返してくれる響君と、視線が絡むと、彼は震える私に優しいキスをくれる。
「行こうか。」
手を引かれて
足を踏み込んだ敷地。
大きな門をくぐると、和と洋のバランスがとれた庭が広がっていた。
ここが
響君の生まれ育った家なのだ。
改めて自分との育ちの違いに怖じ気づきそうになりながらも、手から伝わる温もりがちゃんと安心感を与えてくれる。
屋敷の扉を開けて中に入ると、そこはまるでどこかで見たようなお城のエントランスが広がっていた。
「お帰りなさいませ、響様」
数人の家政婦が私達を出迎えた。
まるで響君は本当に本物の王子様のようで、一瞬、彼が遠い遠い存在の人に思えてしまう。
「・・・響君。」
不安でその顔を見上げると
彼は優しく頷いた。
「大丈夫だよ。君を一人ぽっちになんかしないから」
響君が頼もしく見えて、深い深呼吸をして、息を整える。
階段を下りてきた緒方さんが私達を見ると「國一様がお待ちです」と、私達に着いてくるように言った。