釣り合わない!!~溺愛コンプレックス~
「國一っっっ!!」
見た目と裏腹にハスキーな声をあげて奥様に呼ばれた響君の父親は、青ざめながら俯き、体を小さくした。
驚いて響君の方を見ると彼はくすくす笑いながらお腹を押さえて、「しーっ、あんな父親だけど母さんには頭が上がらないんだ」と、私をちらりと見て唇の前で人差し指を立てる。
「響に虐待まがいな事をしたそうじゃない?
話は全て聞いたわよっ‼」
「いや、それは違うって!躾を・・・」
「何が躾だこのタコッ!
安心してアメリカで自分のやりたいことをやってて大丈夫と貴方が言うから、信用して任せてたのにっっ!
お前の頭、バリカンで刈ってやろうかっ⁉」
「それだけはっ・・・!!」
さっきまで厳格で偉そうな態度が嘘のように、両手をついて平謝りしている姿を見ていると
あんなに恐くて憎らしかったはずの響君の父親に同情すら感じて、苦笑いが込み上げる。
どうやら、響君の父親は、極道の妻風の大和撫子にはどうやっても敵わなさそうだ。
響君は一体、どちら似なのだろうか・・・
こんな場面でふと、そんなことを考えてしまっていた。
暫く、散々、叱られていた響君の父親は、すっかりしおらしくなり、静かに奥様の横にちょこんと座っている。
「では、
改めて話を聞きましょうか。
響、彩葉さん。
そこへ座りなさい。」
ようやく落ち着いた様子の奥様に呼ばれ、仕切り直しだろうか、私達は二人の前に座って改めて挨拶を交わした。