釣り合わない!!~溺愛コンプレックス~
響君は同時にかかってきた、自分よりも図体の大きい男をまるで一瞬の出来事のように
一人の男のみぞおちに膝を入れ、なぎ倒したかと思うと、もう一人を華麗に背負い投げをして意図も簡単に三人いた黒服の男を倒してしまった。
一瞬で三人の男を相手にしても、息ひとつきれてない。
気付いた彼が、勢い良く私を抱き締めた。
「大丈夫⁉怪我してないか⁉」
慌てて私の心配をする彼に
安心して涙が落ちた。
「響君が助けてくれたから大丈夫」
恐かったのと安心したのとで、次から次へと涙が溢れてくる私を抱き上げた響君は
「俺はこの家と縁を切る!」と、言い切り、私を抱き抱えたまま部屋を出ようとした時だった。
響君がドアノブに手を掛ける前に
ゆっくり開いた扉。
「なかなか派手に楽しんでるみたいね?」
落ち着き払った綺麗な声と共に、金箔の鶴の模様が華々しい着物を着た女性が、ゆっくり姿を現した。
「時子⁉」
背後から響君のお父さんの声が聞こえた。
「緒方から話を聞いて、久しぶりに帰ってきたのよ。
さあ、私に話を聞かせてくださいます。」
妖しげな微笑みを浮かべ
女性が完全に部屋に入ると、響君がゆっくり、私を下ろす。
「・・・母さん、久しぶり。」
響君に母さんと呼ばれたその女性は、響君ににっこり微笑み、私に軽く会釈をすると、ずんずん私達を追い越して、響君の父親の前に腕を組んで仁王立ちした。