社長は今日も私にだけ意地悪。
そんな私の様子など気付いていないのだろう、社長は「でも」と話を続ける。


「今回の祭りが成功したのは彼等の実力のお陰だけじゃない。芽衣のマネージャーとしての対応が良かったと話に聞いているし、俺もそう思う」

「俺も……?」

「芽衣は自分のことだけじゃなく、アーティストの気持ちも考えられる人間だからな」


そう言ってもらえるのは凄く嬉しい。でも私、社長にそこまで何か言ってもらえるほどの実績は何もないはず。
事実、RED searchの四人ともやっと打ち解け始めたレベルで、最初なんて相当舐められていた。
だから手放しで喜べず、首を傾げてしまう。


……そう言えば、初めて社長と会った時から少し気になっていたことがあった。


目の前にいる社長のことをじっと見つめると、「何?」と返される。


「社長は……


もしかして私と以前に会ったことがあるんですか?」
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