キミはずっと、かけがえない人



さっきまで饒舌に話していた彼女は、一転黙り込んでしまう。

結婚が本当のことなら、じいさまに言えばいいのに。



「わしに言えんかったら、この子の元に来るんじゃない。この子は、わしが認めた唯一の子だ。他は一切認めておらん」



静かな口調だけど、怒りが含まれているのが分かる。

なるほど、こうやって怒られるんだ。

なかなか意見を言えないはずだよ。



「会長、申し訳ありませんでした。私が見ていないところでこんなことをしているとは……」

「イイ大人がこんなことしているとは誰も思わん。社内で前科がいるにも関わらずな。ただ、今回は専務が気づいたんだ。それは良かった」



2人の会話から、彼女が勝手にやっていることだと分かった。

自信満々に勝ち誇ったように言っていたのに、全て台無しだな。



「何でですか?」

「ん?」

「何で認めてくれないんですか?」



泣いてすがりつくように言う。




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