キミはずっと、かけがえない人



とにかく、言われる通りにワンピースに着替える。

サイズがピッタリってなんだろう。

抜け目がないな。

他人から見て、似合うか似合わないか不安はあるけど。

それでも、こんなプレゼント、嬉しいに決まってる。

姿見の前で、何度もくるくる回ってみる。


……って、こんなことしている場合じゃない。

早く行かないと、催促が来るかもしれない。

えっと、とりあえずバッグを……って、コレでいいかな。

それから、タクシーを呼んで。

少しメイクを直して。

準備万端にして出掛けた。


タクシーの運転手さんに告げた目的地に到着すると、彼が待っていた。

しかも、タクシーの支払いを私がする前に完了させてしまう。

またしても、払わなかった。

それに文句を言ってもどうにもならないから黙っていた。

何を言っても、私からお金を受け取らないんだから。



「……うん、似合うね」



私の全身をじっくり見たあと、そんなことを言う。




< 156 / 210 >

この作品をシェア

pagetop