キミはずっと、かけがえない人



「言っておくけど、捨てた訳じゃないし、別れたかった訳でもない」

「……どういうこと?」

「亜依のこと、本気で好きだった。結婚もしたかった。でも、そう簡単に結婚を決めれる立場じゃなかった」



確かに、今の状況を知れば頷くことは出来る。

ただ、当時はそんなことを知らなかったから。



「付き合うのは自由だけど、結婚となったら別。婚約者がいた訳ではないけど、とりあえず反対された」



まぁ、なんの取り柄もない私相手じゃ無理な話しだ。

それに、当時その話しを聞いたところで、逃げていたかもしれない。



「粘ってみたけど、あのじいさんじゃ無理だった。かと言って、亜依以外と結婚なんて考えられない。20代後半になれば見合いとか進められたけど、結婚したいと思えなかった。まぁ、その反動がフラフラしていることだったんだけど」



やっぱり、聞けば聞くほど住む世界が違う。




< 159 / 210 >

この作品をシェア

pagetop