キミはずっと、かけがえない人
「言っておくけど、捨てた訳じゃないし、別れたかった訳でもない」
「……どういうこと?」
「亜依のこと、本気で好きだった。結婚もしたかった。でも、そう簡単に結婚を決めれる立場じゃなかった」
確かに、今の状況を知れば頷くことは出来る。
ただ、当時はそんなことを知らなかったから。
「付き合うのは自由だけど、結婚となったら別。婚約者がいた訳ではないけど、とりあえず反対された」
まぁ、なんの取り柄もない私相手じゃ無理な話しだ。
それに、当時その話しを聞いたところで、逃げていたかもしれない。
「粘ってみたけど、あのじいさんじゃ無理だった。かと言って、亜依以外と結婚なんて考えられない。20代後半になれば見合いとか進められたけど、結婚したいと思えなかった。まぁ、その反動がフラフラしていることだったんだけど」
やっぱり、聞けば聞くほど住む世界が違う。