キミはずっと、かけがえない人
「俺の望みは、最初から亜依と結婚することだけ。合間にフラフラしたことはなかったことには出来ないけど、お互い様ってことで。俺は、亜依だけだから。俺と結婚して下さい」
彼にしては、珍しく早口に言う。
平然と言っているように見えて、実は緊張していたのだろうか。
「まぁ、たとえ嫌だと言われても、今度は逃がすつもりはないけど」
にっこり笑って言われる。
ここまで用意周到にしているのだから、おそらく見合いの時から逃がすつもりはなかったんだと思う。
自惚れにも思えるけど、思い返せばそう見える。
私は、愛されてるんだって思える。
「本当に、他には誰もいないんだよね?」
「じいさんに認めてもらったのが3年前。その時点で、女は全て切った。じいさんも見合い話しをやめた。だから、この時からいない。今、誰が来ようと、亜依以外欲しくない」
「……それ以上、言わなくていいから」
「何で?」
「……恥ずかしいんだって」