キミはずっと、かけがえない人



「それに、忘れるためには理由が必要だった。嫌い以外の理由が。
でも、キミに彼女が出来たと聞いても、もう戻れないと分かっても、忘れられなかった。誰と出逢っても、キミ以上には思えなくて」



そこまで言うと、彼がボソリと呟いた。



「すごいね……」

「え?何が?」

「正直、そこまで愛されてる自信なんてなかったから。すげぇ、嬉しい」



本当に嬉しいみたいで、顔がニヤけている。



「しかも、淡々と言っているように見えて、顔真っ赤だし」

「……だから、そういうのは見て見ぬふりしてよ」

「言ったら、もっと恥ずかしがる。それが可愛いんだって」

「ちょっ……!そこで可愛いとか言わないでっ」

「へぇ、可愛いでも照れるのか」



マジマジと観察するように言われる。

そんなの、言われ慣れてないから恥ずかしいんだって。




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