キミはずっと、かけがえない人
「イヤ、むしろ気に入られている」
「は?」
「じいさんも言ってただろ。あそこまで言うヤツいないって。だから、何がなんでもこの話し進めるぞ」
「何それ……」
気に入られたかった訳じゃない。
嫌われれば、それで良かったのに。
そのために、最初から強気でいったのに。
だったら、大人しくしていた方が良かったのか。
でも、それはそれでボロが出そうだ。
だけど、今さら何を言っても仕方がない。
家がなくなってしまった今、ここにいるしかないのだから。
湖陵の手の上で転がされているようで、とっても嫌なんだけどっ。
それにしても、不思議だ。
彼は文句の一つも言わない。
大人しく全てを受け入れているとでもいうのか。
いくらなんでも、これは横暴だと思うんだけど。
彼の真意を探ろうとじっと見ると、ふっと笑う。
「亜依も諦めただろ。聞きたいこともあるだろうし、ご飯食べながら話そうか」