キミはずっと、かけがえない人



私は、付き合うのも考えるけどなぁ。

以前、子持ちを紹介されたけど躊躇ったし。



「諦めろ。誰かを身代わりにしたところで、湖陵の関係者は亜依だけなんだから。代えはきかないよ」



そう言ったかと思えば、あごを支えたままの指を少しあげて、彼の唇が私のソレに触れた。



「ちょっと、何してっ……んっ」



すぐ離れたから文句を言ったものの、またすぐに塞がれる。

離れたくて胸を押すけど、離れてくれない。

一体、何がしたいのか分からない。


さっき、彼が言っていたことは本当のことだ。

長年片想いしていたのは私の方。

でもなぜか、付き合う時の告白は彼だった。

振ったのも彼だけど。

だからと言って、彼のことをよく知っている訳ではない。

付き合いが長かった訳ではないし、見ていただけだ。

しかも、ここ14年は1度も逢っていないのに。




< 31 / 210 >

この作品をシェア

pagetop