キミはずっと、かけがえない人
そう言うけど、それでも送ると言う。
結局、彼に会社まで送られてしまった。
こういう時は本当に運が悪いもので、会社の人に見つかってしまうんだ。
見たことのない車を不思議そうに見ていた。
その中から、私が出てきて驚いている。
そうかと思えば、もう1度車を見ている。
彼がそれに気づいたらしく、ぺこりと頭を下げた。
それを見て、また驚いている。
そこまで驚くことだろうか。
まぁ、結婚もしていない、彼氏もいないと言っているのに、男といるからだろうけど。
余計なことを言われる前に、社員と中へ入った。
「川崎さん、彼氏いたっけ?」
中へ入ったとたん、そう聞かれる。
まぁ、1番の疑問だよね。
男ばかりの社内に唯一の女で、相手がいないただ1人なんだから。
言っていて寂しい気はするけど、それが事実だから。
「彼氏なんていません」
「じゃあ、さっきの人は?」
「ただの親戚です」