キミはずっと、かけがえない人
「え?実家にいるけど」
『実家?逃げ帰った?』
「は?すぐに連れ戻されるようなとこに、逃げる訳ないでしょ」
『へぇ、よく分かっているな。とりあえず、すぐに帰ってこい』
「は?何でっ」
人が聞いているのに、勝手に電話を切られた。
「佑哉くん?」
お母さんの問いに頷く。
自分勝手もいいとこだな。
「何かは知らないけど、早く帰りなさい。待っているんでしょう」
「もう家にいるとか、思えないんだけど」
「一緒に住み始めた最初のうちぐらい、早く帰ってくるわよ。それに、ご飯作らないと」
「お手伝いさんがいるみたいだから、いらないと思うけどね」
知らないうちに用意してあるから、どんな人がやっているのか分からないけど。
「ああ、もうっ。帰るよっ」