キミはずっと、かけがえない人
「私ですけど」
何者か分からないけど、名指しされている以上は答えないといけない。
それでも、首を傾げてしまう。
「あなたが?」
品定めされるかのように、上から下まで全身をジロジロ見られる。
見られたんだから、私もじっくり見る。
私より若いだろう。
派手目のミニワンピース、ブランドもののバッグ、高そうなハイヒール。
メイクも濃いな。
あきらかに、会社に来る格好ではない。
場の雰囲気に合っていないから、すごい目立つ。
よく見ても、私は知らない人だ。
相手も、私のことを知らないのだろう。
目の前にいる私を見ながら名指しして、いる?と聞いたのだから。
ではなぜ、名前を知っているのだろうか。
この人は何者で、一体何の用があって来たのだろうか。
「何だ。たいしたことないじゃない」