キミはずっと、かけがえない人



「ごめん、何でもない。ボーッとしてただけ」



彼の顔を見ないようにして、足早に部屋に戻る。

何で涙が出たのか分からない。

泣きたかった訳じゃないのに。

もう、今日はこのまま寝てしまおう。

目は腫れていないはずだけど、気づかれたらヤバイ。

彼がお風呂から出てくる前に寝よう。

今の私は、自分の感情をコントロール出来ない。



「それを、俺が許すと思う?」

「え?」



ベッドに潜り込もうとしたその瞬間、そんな声と共に後ろから抱き締められた。


何でここにいるんだ。

まさか、もう入って出てきたというのか。

私はまた、知らないうちに考え込んでいたというのか。



「亜依の様子がおかしいんだから、ゆっくりしてる訳ないだろ」



どうやら気づかれていたらしい。

ただでさえ、普段より長風呂してたんだ。

おかしいと思うはず。




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