エリート社長の許嫁 ~甘くとろける愛の日々~
ブランピュールも、価格帯の高さから最初は苦戦したと耳にした。

だけど今の地位まで上り詰めたのは、そうした信念を貫き通してきたからなのかもしれない。


「かしこまりました。それではこちらを採用でよろしいですね」


淡々と語る稲田さんは、納得してくれたのだろうか。


「あぁ。頼んだ」


それから翔さんは別のアポイントがあるからと、秘書の溝口さんと行ってしまった。
残された私と稲田さんは、細かな条件を詰め始める。


「随分、社長に気に入られていらっしゃるようですね」


彼女は表情を変えることなく、私をチクリと突き刺した。


「気に入っていただいているのは、弊社の布です」
「ですが、社長のポケットマネーから融資をされたんでしょう?」


私が融資を申し込んだとき彼女も同席していたので知っている。

だから、気に入られていると言われてしまうのは、仕方がないことなのかもしれない。
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