エリート社長の許嫁 ~甘くとろける愛の日々~
「お母さま、ずっと見ていてくださったのかもしれないですね」
「砂羽もそう思う?」


翔さんは口元を緩める。


「母が生きているうちに砂羽に出会いたかったな。母とはあまり一緒に暮らせなかったから、見舞いに行く度に『早く結婚してお嫁さんにおいしいものを食べさせてもらいなさい』と口癖のように言っていて……」


そんなに入院ばかりだったのか。
それは気の毒だ。

お母さまも優しくて気遣いのできる翔さんと、もっと一緒にいたかったんだろうな。


その一方で『お嫁さん』というフレーズに、ドキッとしていた。

翔さんは三十一歳。私は二十四。
もしこの恋が最後の恋になれば素敵だけど……。

そんなことをボーッと考えていると、彼が私を凝視しているのに気づいた。


「俺、そのつもりで砂羽に交際を申し込んでるから」
「えっ……」


それって……この先に結婚を見据えているということ?


「砂羽はゆっくり考えてくれればいい。俺の気持ちは決まってる」


胸がざわつく。
そこまで深く考えてくれていた彼に、私も精いっぱい応えたい。
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