エリート社長の許嫁 ~甘くとろける愛の日々~
「……はい」


悲しい話を聞いたけれど、私たちの未来を私の父も翔さんのお母さまも空から見守ってくれている気がした。

「砂羽、ちょっと」


レストランからマンションに帰ると、今度は仕事部屋に呼ばれた。

翔さんはミシンの近くに掛けてあったローズピンクのワンピースを私に差し出す。

とてもシンプルな形ではあるけれど、スカートがふんわり広がっていて、やはりウエストからのラインが秀逸だ。


「うわー、これも素敵ですね。女心をくすぐられちゃう」


でも、あれ? 
この布に見覚えがある。

多分、うちの会社が作ったシルクシャンタンだ。

張りがある布なので、スカートがふんわり広がる。
布の特徴をうまく生かしたデザインだった。

布をじっと見ていると「峰岸織物の最高級品だよ」と褒めてもらえて、テンションが上がる。


「新しいデザインを考えてくださったんですか?」
「うん。でもごめん。これは量産しない。一枚だけ、大切な人のために作った物だから」
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