エリート社長の許嫁 ~甘くとろける愛の日々~
「はい」


彼と一緒ならどこでもいい。
ついさっきまでのドキドキはなんとかごまかしつつ返事をする。

それから繁華街の駐車場につくまで、彼となにを話したのかよく覚えていないほど『裸』という言葉に動揺していた。


「さて、行きましょうか、お嬢さま」


駐車場に車を停めた彼が、私のほうまで回り込んできてドアを開けてくれ手のひらを差し出す。

えっ、握れってこと? 
しかも『お嬢さま』って……。

目を白黒させていると、白い歯を見せる彼は「ほら」と私の手をちょっぴり強引に握った。

くすぐったいようなドキドキ感が私を煽ってくる。

なんなの。
デートってこんなに胸が苦しいものなの?


翔さんは『東郷(とうごう)百貨店』に入るときも、自然な動作で私の背中を押し、先にと促してくれる。


「服はいくらでもあるから、バッグと靴と、あとはなにを買う?」
「えっ、私のですか?」
「うん。俺、今欲しい物ないから。砂羽の物を買おう」
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