エリート社長の許嫁 ~甘くとろける愛の日々~
次の週も、数回稲田さんに会うことがあったものの、翔さんとのことにはなにも触れない。

もちろん私も、仕事は仕事として気持ちを切り変えているつもりなので、鉢合わせしたことについては口をつぐんでおいた。


今日はブラウスに採用された布の納入時期と量のすり合わせのためにブランピュールに足を運んでいる。
担当の稲田さんと応接室での確認作業だ。


「こちらの納期は、最短でいつが可能ですか?」
「はい。来週の火曜にお届けできます」
「わかりました。工場に連絡しておきます。その後、ブラウスの売り上げ次第では、次の納期を急いでいただくこともあるかもしれませんが」


彼女は視線を書類に落としたまま、私を見ることはない。
それが“拒絶”をあらわしているようで、気になってしまった。


「かしこまりました。その都度ご連絡いただければ、できる限りの対処はさせていただきます」
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