エリート社長の許嫁 ~甘くとろける愛の日々~
せいぜい一、二枚のことだと思っていた私は、驚愕してその様子を見ていた。

そして最後に、彼が私のためにデザインしてくれたウエディングドレスのデザインまで手にしている。


「それは違うかと……」


声をかけたが、彼女は「一応お借りします」とあっさりバッグの中に突っ込んでしまった。


「でも、そのドレスは——」
「すみません、急ぎますので。ありがとうございました」


稲田さんは風のように去っていった。



その晩、翔さんの帰りは遅かった。

二十二時すぎにやっと帰宅した彼は、いつも余裕のある彼にしては珍しく疲れの色が顔に現れていて驚いた。


「遅くなってごめん」
「いえ。なにかあったんですか?」


仕事のことに口出しはしないつもりだけど、どうしても気になる。


「あぁ」


彼はネクタイを緩め、ソファにドサッと座った。


「稲田が会社を辞めた。それと同時に、いくつかの重要書類も消えた」


それを聞き、息が止まる。
私、とんでもないミスを犯したのでは?
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