エリート社長の許嫁 ~甘くとろける愛の日々~
「お母さん、これ、どうしたの?」
「ついさっき新規で発注をいただいたのよ。有名なブランドよね」
母はすこぶる上機嫌だ。
「でも、サンプルも見てないよね」
「そうなのよね。それなのにこんなに大量にだから、びっくりしちゃって」
それを聞きピンときた。
「ねぇ、この注文が入った生地のサンプル、ブランピュールに出したよね?」
たしか、私が直接持っていって稲田さんに渡したはずだ。
その採用、不採用についてはまだ聞いていない。
「えっ? そうね……」
母は台帳をめくり始めた。
「あっ、出してるわね。一カ月前に二色」
間違いない。稲田さんはマルグリットにいる。
翔さんはデザインを描いてから布地の選定に入るときと、先に布地を決めておいて、その素材を生かしたデザインを描くときがある。
後者の場合、デザイン画の端に生地に関する情報を書き込むことがあるのだ。
昨日、持っていかれてしまったデザイン画の中に、この生地を使う予定だった物があったに違いない。
「ついさっき新規で発注をいただいたのよ。有名なブランドよね」
母はすこぶる上機嫌だ。
「でも、サンプルも見てないよね」
「そうなのよね。それなのにこんなに大量にだから、びっくりしちゃって」
それを聞きピンときた。
「ねぇ、この注文が入った生地のサンプル、ブランピュールに出したよね?」
たしか、私が直接持っていって稲田さんに渡したはずだ。
その採用、不採用についてはまだ聞いていない。
「えっ? そうね……」
母は台帳をめくり始めた。
「あっ、出してるわね。一カ月前に二色」
間違いない。稲田さんはマルグリットにいる。
翔さんはデザインを描いてから布地の選定に入るときと、先に布地を決めておいて、その素材を生かしたデザインを描くときがある。
後者の場合、デザイン画の端に生地に関する情報を書き込むことがあるのだ。
昨日、持っていかれてしまったデザイン画の中に、この生地を使う予定だった物があったに違いない。