エリート社長の許嫁 ~甘くとろける愛の日々~
「ブランピュールのデザインと情報を返してください」
「なんだね、君は」


社長があからさまに不機嫌な顔をして私をにらみつける。


「あれは一ノ瀬社長が心を込めてデザインしたものです。お願いします」


私は深く頭を下げた。
しかし社長は「邪魔だ」と一喝して、再び歩き出してしまう。


「待ってください。ブランピュールのデザインを——」
「そんなものは知らないよ。稲田、この人をなんとかしなさい」
「かしこまりました」


稲田さんは玄関の付近にいた警備員に目配せしている。


「稲田さん、どうして翔さんを裏切ったんです?」
「君、社長になにをしている!」


私が尋ねた瞬間、警備員にうしろから羽交い絞めにされてしまった。


「翔さんがどれだけ苦労してブランピュールを成長させてきたのか、ご存知ですよね」
「そんなの……知らないわ」


稲田さんは一瞬顔をしかめたが、クールな表情に戻り社長のあとに続く。
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