エリート社長の許嫁 ~甘くとろける愛の日々~
「そっか。困ったことがあれば言って」
「ありがとうございます」
「それじゃ、気をつけて」


朝いちでアポイントが入っている彼は、運転手の林さんと秘書の溝口さんが迎えに来た車に乗って、行ってしまった。


「よし」


今日も頑張ろう。

空を見上げると、雲ひとつないいい天気だ。
それが私たちの未来を示しているようで、なんだか心躍った。



週末も青空が広がり、秋の風が心地いい爽やかな天気だった。

一ノ瀬のお父さまへの挨拶に行くために、橋さんたちが仕立ててくれた訪問着を身に纏う。


リビングに行くと、黒に近い濃紺のスーツに深いえんじに白の小紋が入ったタイを合わせた翔さんが、目を細めてじっくり観察を始める。

こうして見られるのはもういつものことだけど、少しも慣れなくてドキドキしてしまう。


「はー、これもいい。砂羽の白い肌にこの藤色は映える。主張しすぎない柄も砂羽の奥ゆかしさをあらわしているようだ。橋さんに嫉妬するな」
「えっ、橋さんに?」
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