エリート社長の許嫁 ~甘くとろける愛の日々~
あぁ、私は愛されている。
翔さんの隣にいられて幸せだ。


一等地に建つ一ノ瀬家は、驚くほど立派だった。
長い塀が続いたかと思うと大きな門が現れ、彼が車を停めてどこかに電話をすると、その門が自動で開いた。

まるで西洋のお城のように、“そびえたつ”という表現が正しそうな大きな建物が目の前に現れ、峰岸織物の工場がすっぽり入りそうな広さの庭の間を車は進んでいく。


「えっ……えっ……」


想像を超えた規模の実家を目の当たりにして、戸惑いの声が出てしまう。


「どうした?」
「どうしたって……こんなに大きいなんて聞いてません!」
「あはは。言ってないな」


彼は軽く笑っているが、私は目が点だった。

どこからか漂ってくる山茶花の香り。
本当なら大好きなこの香りで癒されるところだけど、緊張が増すばかりだ。


「親父が『三谷(みつたに)商事』のトップで」
「え!」


それも初耳。しかも三谷商事は、最大手の総合商社だ。
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