エリート社長の許嫁 ~甘くとろける愛の日々~
白髪交じりの髪ではあるが、きちんと整えられていておしゃれにすら感じる。


「いえ。電話でお話しましたが、こちら、峰岸砂羽さんです。彼女と結婚します」


翔さんは早々に切り出してくれた。


「初めまして、峰岸です。翔さんとお付き合い——」
「挨拶は必要ない。好きにしなさい」


お父さまは私をチラッと視界に入れ、言葉を遮る。

翔さんの言っていた通りだった。
息子の結婚という大きな人生の分岐点なのに、それすら興味がないのだろうか。

言い方もとても冷ややかだ。


重人さんとは長い時間話していたようだが、翔さんの結婚についてはこれで終わりなの?

そりゃあ、あれこれ言われても困るけど、あまりにあっさりしすぎていてモヤモヤしてしまう。

認めてくれるなら、せめて『おめでとう』のひと言くらい欲しかった。


「はい、そうします」


翔さんはどこかあきらめ気味にそう言った。
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