エリート社長の許嫁 ~甘くとろける愛の日々~
「では、失礼します」
「あぁ」
結局、まともに話なんてできなかった。
私たちは坂井さんに見送られ、一ノ瀬邸をあとにした。
とっても素敵な家だったのに、家の中は凍り付くような冷たさを感じた。
それは、お母さまがすでに亡くなっているせいなのかもしれない。
重人さんもあそこに住んではいないようだし……家族団らんのような機会もなかなかないのかも。
「はー、イヤな気分にさせてばかりだったな」
ハンドルを握る翔さんが、珍しく大きなため息をついている。
「平気です。これで翔さんと結婚できるんですし」
たしかに冷遇だった。
でも、私たちは前に進める。
「砂羽は本当に……」
彼はそこまで言うと、口元を緩める。
「そのポジティブなところは、出会った頃とちっとも変わらないな。つらいことがあっても、ただ前を向いて顔を上げて……信じたものを守ろうとしていた」
そんなふうに意識はしていなかったけど、たしかに峰岸織物の伝統を守るために、必死に前を向こうとしていた。
「あぁ」
結局、まともに話なんてできなかった。
私たちは坂井さんに見送られ、一ノ瀬邸をあとにした。
とっても素敵な家だったのに、家の中は凍り付くような冷たさを感じた。
それは、お母さまがすでに亡くなっているせいなのかもしれない。
重人さんもあそこに住んではいないようだし……家族団らんのような機会もなかなかないのかも。
「はー、イヤな気分にさせてばかりだったな」
ハンドルを握る翔さんが、珍しく大きなため息をついている。
「平気です。これで翔さんと結婚できるんですし」
たしかに冷遇だった。
でも、私たちは前に進める。
「砂羽は本当に……」
彼はそこまで言うと、口元を緩める。
「そのポジティブなところは、出会った頃とちっとも変わらないな。つらいことがあっても、ただ前を向いて顔を上げて……信じたものを守ろうとしていた」
そんなふうに意識はしていなかったけど、たしかに峰岸織物の伝統を守るために、必死に前を向こうとしていた。