エリート社長の許嫁 ~甘くとろける愛の日々~
「ホント、久しぶりよね。ブランピュール、うまくいっているそうですね」
「はい、おかげさまで」
「そちらが婚約者の方ですか?」


恵さんは私に視線を送る。


「峰岸砂羽さんです」
「初めまして、峰岸です。どうぞよろし——」
「彼女は峰岸織物の娘さんだってさ」


私の挨拶を、重人さんが遮った。


「あっ、そうなの……」


恵さんまでうちの会社のことを知っているの?


「東横銀行も、あの一件があったときはざわついたけど……」
「東横銀行?」


重人さんが思わぬことを言いだしたので、声が出てしまった。
母に株取引を勧めたのが、東横の二宮さんだったからだ。


「あー、言ったらまずかった? 俺が東横に勤めてること」
「えっ……」


重人さんの発言に驚愕して頭が真っ白になる。

そんなことはひと言も聞いてない。
今まで黙っていたのは、どうして?

イヤな予感がして、心臓がバクバクと音を立て始めたのがわかる。
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