エリート社長の許嫁 ~甘くとろける愛の日々~
翔さんが話し始めた瞬間、私は部屋を飛び出した。


「砂羽、待って」


すぐに翔さんが追いかけきて、あっけなく玄関でつかまってしまう。


「砂羽。落ち着いて」
「どうしてお兄さんが東横銀行に勤めていること、黙ってたんですか?」


泣きそうなのをぐっとこらえて、翔さんに問いかける。


「それは……。妙な誤解をされるかもしれないと……」
「誤解なの?」


涙があふれそうになり、唇を噛みしめる。


「俺を信じてくれ」


翔さんの目は真剣だった。
でも、この状況で信じろと言われても簡単じゃない。
彼を信じたいのに……。


「離してください」


泣くのを必死にこらえて声を絞り出すと、彼はあきらめたかのように握っていた私の腕を離した。

それから私はすぐに玄関を飛び出した。


「あれ、君は?」


悠馬さんらしき人と、おそらく奥さま。そして小さな男の子が到着したところで、坂井さんがお出迎えしていたけれど、私はただ頭を下げて走り出した。
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