エリート社長の許嫁 ~甘くとろける愛の日々~
「座って。コーヒーでいい?」
「うん」


奈央がいてくれてよかった。
少し気持ちが落ち着いてきた。


「砂糖いるっけ?」
「ううん。ブラックで大丈夫」


奈央からコーヒーを受け取ると、彼女は向かいに座りコーヒーを口に運んだ。


「どうした? イケメン社長とケンカした?」
「……うん」


奈央のほうからせっかく聞いてくれたのに、ショックすぎて言葉が続かない。


「ここにいると知ってる?」


その質問に首を振る。


「心配するよ?」


さっき彼女に連絡してから、携帯の電源は切ってしまった。
もしかしたら翔さんから連絡が入っているかもしれないが、今は出る気になれない。


「……うん」


さっきから『うん』しか言えない。
すると奈央はしばらくなにも言わずに待ってくれる。

黙々とコーヒーを口に運び、それがなくなった頃、私は意を決して口を開いた。
< 266 / 337 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop