エリート社長の許嫁 ~甘くとろける愛の日々~
「砂羽からもらったたくさんの手紙のことを思い出して、必死に原稿を作った。でも、まだ足りない。峰岸織物の魅力はそんなもんじゃない。砂羽がこの白無垢を着て、華を添えてくれないか?」


翔さんは、私の白無垢を着たいという願望と、峰岸織物の伝統を守りたいという願望の両方を叶えてくれようとしているんだ。


「緊張しちゃうな……」
「俺がエスコートする。あとで俺も着替えるから、写真も撮ろう」


結局、私は了承した。
モデルなんてとんでもないが、これは人生で何度もない最高に幸せなひとときなのかもしれないと感じたからだ。


幾度も目にしてきた白無垢だけど、自分が着られるというのは感無量だった。

鶴と桜があしらわれた白無垢を着て綿帽子を被り、鏡の前に立つと、そこに映るのが自分ではないような感覚に襲われて、目を瞠る。
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