エリート社長の許嫁 ~甘くとろける愛の日々~
けれども、銀行の横のつながりで“峰岸織物は危ない”という情報がすでに出回っているらしく、話を聞いてくれることすらない。

それから、銀行だけでなく父の古くからの知り合いに融資を頼んでみたものの、すべて答えはノー。
道が、断たれてしまった。


まさか、こんなふうに終わりを迎えるなんて想像もしていなかった。

コツコツ頑張っていれば、一ノ瀬さんのような理解者がもっと増えていくはずだと希望を抱いていた。
それなのに……。

それでも泣けなかった。
自分を責め続ける母の前で、私が涙を見せるわけにはいかなかった。


その晩。なんとか母をなだめて寝かせたあと、窓から空を眺める。


「お父さん、ごめん。守れなかったよ。ごめんね……」


今まで我慢していたからか、あふれてくる涙が止まらなくなってしまう。

もう、他に手はない? 
本当に、私にできることはない?

一旦は倒産を覚悟したものの、あきらめきれない。


「あっ……」


もうひとつだけ、残された道がある。

無茶な話だとわかっている。
だけど、それにかけるしかなかった。
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