エリート社長の許嫁 ~甘くとろける愛の日々~
「お母さん、落ち着いて。全部話して」


オロオロするばかりの母をなだめて全容を聞き出すと、どうやら二宮さんの勧めで購入した株が暴落して、一千万近くの損害が出てしまったらしい。

すぐに帳簿を調べて、唖然とする。


「このままでは来週不渡りが出る……」


不渡りが半年以内に二度重なると、二年間融資は受けられない。
信用も失い、資金繰りもどうにもならなくなり、おそらく倒産となってしまうだろう。

損害を取り戻せなければ、一千万を補填するあてもない。
二度目の不渡りも避けられなくなる。


「ごめんなさい。絶対に儲かるからって……。このままじゃ、お父さんが残してくれた会社がなくなってしまうと思って……」


母は泣きながら謝ってくる。

簡単に責めることはできなかった。
母だって、会社を守りたい一心だったはずだ。


「今は泣いてる場合じゃないよ」


私はすぐに電話を手にして、何件もの銀行に融資を申し込んだ。
< 63 / 337 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop