エリート社長の許嫁 ~甘くとろける愛の日々~
恥ずかしさに頬を赤らめていると、彼の内ポケットのスマホがけたたましく鳴り始めた。


「ふぅ、タイムリミットだ。峰岸さん、これ」


彼はポケットからなにかを取り出し私に握らせる。


「鍵?」
「うん。うちのマンションの」
「えっ!」


次に名刺を取り出し、裏に万年筆を走らせる。
端正な文字で書かれたそれは、住所だった。


「ここの最上階なんだけど、二部屋しかないからすぐにわかると思う。いつでも来ていいから」


彼はごく平然としているが、鍵を預かるなんて想定外すぎて腰が抜けそうだ。


「いっ、いえっ……」


慌てて返そうとしたのに、拒否されてしまう。


「会社にもうひとつ鍵が置いてあるから心配いらない」


そんなことを心配しているわけじゃなくて!


「俺、決めたことは即実行しないと気が済まないたちなんだ。それに、峰岸さんが前言撤回したら困るから」


たしかに、彼の即決力は何度も目の当たりにしてきたし、行動力がある故、あれほどまでに会社を大きくできたのだろう。

でも、それは仕事の上で、だ。
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