エリート社長の許嫁 ~甘くとろける愛の日々~
「あっ、あの……連絡先がわからなくて、勝手に入りました。すみません」
「なに謝ってるの? いつでも来ていいって言ったのは俺だよ? ああ、そっか。仕事用の連絡先しか渡してなかったね。来てくれないんだって落ち込んでたんだけど、来にくかったのか……」


彼はなぜかホッとしたような表情をみせる。

私が来ないからって落ち込んでいたの? 
まさかの発言に、びっくりだった。


「いい匂いがする」


リビングのほうを見つめる彼は、スーッと息を吸い込んでいる。


「夕食を、作りました。お口に合うかどうかわからないですが」
「いや。この匂いだけで飯が三杯くらい食べられそうだよ。すぐに着替えてくる」


彼は仕事部屋とは反対のドアを開け、入っていってしまった。

私は再びキッチンに戻り、ロールキャベツを温め始める。

我ながら、大胆なことをしていると思う。
男の人の家に食事を作りに来て、しかもふたりきりなんて。
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