エリート社長の許嫁 ~甘くとろける愛の日々~
隣にいられると妙に意識してしまい、息が苦しい。


「あっ、熱っ」


緊張で体がガチガチになっていたからか、ロールキャベツの鍋に少し触れてしまった。


「大丈夫!?」


途端に彼は顔色を変えて私の手を握り、すぐに蛇口を全開にして冷やし始めた。


「傷になったらどうしよう……」


彼が焦りを纏った声を絞り出す。

この程度のヤケドは、珍しくないのに。
なんとか安心させたい。


「大丈夫です。おっちょこちょいで、すみません」


わざとおどけてそう口にしたのに、彼は首を振る。


「ダメだ。ちゃんと冷やして」


彼がうしろに立ち、私の体を挟み込むように両手でヤケドをした右腕をつかむので、密着してしまい、一瞬息が止まる。
ヤケドをした指より、顔が火照ってしまう。


「ちょっと見せて」


しばらく冷やした彼は、一旦水を止め、私の指を至近距離で観察し始めた。


「それほどひどくないようだ。よかった」
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