【完】学校イチ人気者の彼は、私だけを独占したい。
「先輩離してよ……っ!
こんなんじゃ、優愛さんと話できないじゃん」
「しなくていいよ。
今の天沢は、俺以外視界に入れるの禁止」
「そんなの無理に決まってるじゃん!」
辺りを見渡せば、夏の海を輝かせる太陽。
砂浜を走るギャル達。
すぐ近くには海の家。
目の前には優愛さん。
そりゃあ……ミア先輩だけに、意識は集中できるけど。
視界まではミア先輩でも奪えないよ。
そう思っていたのに。
「無理?無理なわけないじゃーん」
「へっ?」
「天沢ちゃんの視界を奪うのなんか、簡単だよ。」
「そんなの無理だよ」
「ほんとに?」
「ほっ……本当に!」
無理に決まってるのに。
後ろからクスクスと笑っているミア先輩の余裕は、なんなんだろう。