【完】学校イチ人気者の彼は、私だけを独占したい。
今日はミア先輩にドキドキさせられっぱなしの1日で
せっかく塗ってきた日焼け止めも意味がないくらい、日焼けしたように赤くなる肌。
とくに顔なんて、先輩の一言一言で熱が溜まるから不思議だよ。
「……もしかして二人は、付き合っているの?」
ミア先輩が変なことばっかりするから、優愛さんをほっといてしまっていた事に気づく。
慌てて優愛さんに目を合わせると
少しだけ悲しそうな顔をして見えるのは、綺麗に整えられた眉が下がっているせいかな……?
女の勘……なんだけど。
たぶん優愛さん、ミア先輩のこと好きだよね?
好きじゃなきゃ、私をそんな悲しい目で見つめてきたりなんか、しないよ。
でも、やっぱり分かんない。
聞きたいし、言いたい。
私はミア先輩の彼女だって、この人に言っちゃいたいのに。
自分の性格がそれを邪魔する。
同情してしまうんだ、どうしても、優愛さんに。
彼女だと知ったら、優愛さんはどんな顔して私に接してくるんだろう。
平凡の文字がふさわしい私。
そんな私の彼氏が、同じ人間だとは思いたくないほど顔が整ってるミア先輩なんだよ?
……それだけで奇跡って存在するんだねって思う。
だけど、私みたいな平凡女が彼女だって知られたら。
優愛さんに、ガッカリされることがものすごく怖い。
お互い好き同士なんだからいいじゃんって、そりゃあ私もそうは思うけど。
釣り合ってないのは事実だし。
私のことはいいとして
私のせいでミア先輩の評価が下がるのは正直嫌だ。
……そう思うのは、自分勝手なことなのかな?