【完】学校イチ人気者の彼は、私だけを独占したい。





「そう。俺と天沢付き合ってんの。
 だから邪魔しないでくれる?」



けどさ、そんなことゴチャゴャ考えてたって
迷いなくハッキリと言っちゃうミア先輩には関係ないことなんだろうね、私の悩みなんて。



そんな先輩に救われてる。


嬉しいなって思う。


単純なんだ、私って。



「そっ……か、そうだよね。
 もう遅いよね私たち」



長い髪を耳にかけながら、意味深なことを言う優愛さんは
俯いて目元に影を作り、悲しみを演出するのが上手な人だ。


なんでかは分からないけど、ゾクッとした。


優愛さんが綺麗すぎるからかな……それとも。


「こんなところで、まさか美秋に会えると思ってなかったから。
 ちょっと頭が混乱しちゃってるみたい。
 運命の再会だなんて、少し夢見ちゃった」



この状況で、噛まずにそんなことが言えるなんて。

さっきとは違って、優愛さんが本気を出してきてる証拠だよ。


もう遠慮はいらないんだなって、きっと彼女は思ってる。



だから。



「私の"とき"は、失敗したけど。
 ちゃんと"今"の彼女……詩ちゃんを、幸せにしなきゃだよ?美秋」




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