【完】学校イチ人気者の彼は、私だけを独占したい。





弱々しくなる先輩の声。


この人は自分でも気づいてる。

自分でも訳が分からなくなってしまっていること。


嫉妬で人をおかしくさせるのが、恋の魔力だ。


分からなくもない。


分からなくもないけど……。



「そんなんじゃ、ミア先輩に好きになってもらえませんよ?」


「……っ」


「もし思いを伝えたかったら伝えればいいんですよ。
 言えないままだと、辛いじゃないですか。
 吐き出せない気持ちを残しておくなんてもったいない。
 人を好きになる瞬間だけは、誰しも綺麗なんですから」



あの日、斉藤先輩に振られて、告白なんてしなければよかったと思った。


……ううん、今でも思ってる。


けど、それがなきゃ、ミア先輩とこうはなっていなかったから。

なんだかんだ結果オーライ。



「綺麗事じゃん」

ボソッと呟く先輩に、微笑みかける。



「確かに、大体好きだからこそ告白できないっていうのも、ありますもんね。」


「そうよ、あんたは何も分かってないわよ。
 こっちは好きだって思う度緊張で吐きそうなのよ」


「意外とピュアなんですね先輩って」


「ああん?またトイレで怖い思いでもさせてやろうか?」


「……それだけは勘弁してください」





< 293 / 309 >

この作品をシェア

pagetop