【完】学校イチ人気者の彼は、私だけを独占したい。
私の目をじっと見つめる先輩。
「はあ」とため息を吐いて、肩の力を抜いた。
「負け、ね」
「へっ?」
「あんたのその、バカさ加減には呆れたっていうか、勝てないっていうか。
なんで美秋があんたに構うのか、分かったような気がする」
「……」
「ごめんね」
「……っ、先輩」
「バカなのは私の方よね。
後輩相手にほんと情けない。
もうあんたに突っかかったりしないから」
「……」
「じゃあね」
背中を見せ、手を振る先輩。
悪い人だけど、話せばそんなに悪い人じゃないのかもしれない。
先輩のしたこと許せる?って聞かれたら
時間が経てば……まあなんとか許せそうかな?
あんなにハッキリと恋という感情をオモテに表せられる人
なかなかいないんだもん。
ギュッと切なくなった。
あの人の気持ちを考えると、痛くなる。
それくらい、恋って残酷で甘くて、それでも人を好きになるのはやめられない。
こんなに苦しいのにどうしてだろう……?
考えたって分からないから。
考える時間だって惜しくなって、私は学校から出た。