そのアトリエは溺愛の檻
彼が部屋から出て行き、置かれていた衣装を手に取る。用意されていたのはこれまでの撮影のようなシンプルでシックなデザインのものではなく、ふわっとしたシフォン素材のワンピースだった。

こんな服はプライベートで試着したこともないし、自分に似合うとは思えない。だけどこれ以外に衣装はないので着るしかない。

こんな女の子らしい服は私らしくないし、きっと似合わない、そう思って鏡の中の自分を見て、驚いてしまった。

メイクと髪型のせいもあるけど、まるで別人だ。お姫様みたい。

興奮して頰が熱くなっている。



すごい。魔法みたい。

はやく、重秋にも見せたい。



ゆっくりとバルコニーに進むと、カメラを構えた重秋が待っていた。

「やっぱり似合う。見立て通り可愛い。ここに座って」


彼の言葉と笑顔で私の体温はまた少し上がる。

「最後にリップ塗るからこっち見て」
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