そのアトリエは溺愛の檻
*
六時半より先に着き、お店の中で待っていると賢木くんが一人でやってきた。いつもは私、奥田さん、賢木くんの順番で着くことが多いので珍しい。
「奥田さんまだかな」
「なんか納品トラブルでまだ客先らしい」
「え、大変。今日の納品、結構遠いところだったよね。大丈夫かな。こっちは無理しなくても大丈夫ですって連絡入れとこ」
「本当に大丈夫なの?」
向かいに座りながら賢木くんがじっと私を見た。
「えっ……と、まぁ、ちょっと胸が苦しいかなって感じ? なんか抽象的だけど。でももともと別世界の人だったからさ、そこはわきまえてたし。それより、なんかごめんね、心配かけて。
あ、奥田さんから返事きた。まだ帰れないから先に始めててってさ。今日サシ飲みになりそうで賢木くんの彼女に悪いな」
「それは先週別れたから問題ない」
「えっ」
私が驚いて何も言えなくなると、賢木くんは「生でいい?」と聞いてから生ビール二つとスピードメニューをいくつか注文した。
別れたってそれ、平気そうにしているけど、私よりも賢木くんのほうが大丈夫なのかと尋ねたくなる。
六時半より先に着き、お店の中で待っていると賢木くんが一人でやってきた。いつもは私、奥田さん、賢木くんの順番で着くことが多いので珍しい。
「奥田さんまだかな」
「なんか納品トラブルでまだ客先らしい」
「え、大変。今日の納品、結構遠いところだったよね。大丈夫かな。こっちは無理しなくても大丈夫ですって連絡入れとこ」
「本当に大丈夫なの?」
向かいに座りながら賢木くんがじっと私を見た。
「えっ……と、まぁ、ちょっと胸が苦しいかなって感じ? なんか抽象的だけど。でももともと別世界の人だったからさ、そこはわきまえてたし。それより、なんかごめんね、心配かけて。
あ、奥田さんから返事きた。まだ帰れないから先に始めててってさ。今日サシ飲みになりそうで賢木くんの彼女に悪いな」
「それは先週別れたから問題ない」
「えっ」
私が驚いて何も言えなくなると、賢木くんは「生でいい?」と聞いてから生ビール二つとスピードメニューをいくつか注文した。
別れたってそれ、平気そうにしているけど、私よりも賢木くんのほうが大丈夫なのかと尋ねたくなる。