寡黙な御曹司は密かに溺愛している
『お前、御影屋の孫なんだろう』

会ったこともない祖父たちのことで好奇の目に晒され、誰も私を私として接してくれることはなかった。

あの子は、御影屋の血筋。

好きだと言ってくれた彼氏も、仲良くしてくれた友達も結局、みんな頭にそれがあった。

だから私は、自分自身を認めてほしくて、自立して、家を出た。
モモシロだって自分の力で就職した。


もう二度と御影屋の孫だとは言われたくなくて、私はこのことを誰にも話してはいなかった。


それなのに……なぜだろう。


突然、タクシーの中で不思議と胸騒ぎがして仕方がなかった。
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