35階から落ちてきた恋
「わかった。果菜の身に危険なことがあると困るから、果菜の職場に顔を出すのはやめる。だから、俺が呼んだら果菜がここに来い。わかったな」

ん?
「おっしゃっている意味がわからないんですけど?」

「果菜はクリニックに俺が来ると困るんだろう?」
「はい」
「だから、クリニックに行くのはやめる。その代わりに果菜がここに来い」

はあ?
「だから、何で私がここに来ることにつながるんですか」

「俺が会いたいから。果菜と会うといい刺激になる。新しい曲を作りたくなるし、今よりもっとギターも弾きたくなる」

「ななななんで私なんですか」

「いやならいいぞ。俺が会いたくなったらクリニックに行くからな」
ニヤリと少しだけ左の口角を上げて笑った。

その笑みはたまらなくセクシーなんですけど、セクシーなんですけどね。

「患者さんとしてクリニックに来るって意味ですよね?」

「なわけねーだろ」

最悪だ。あ、悪魔・・・。
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